終活コラム

vol.12

いろいろある!?お墓の形

多様化するお墓

私の父の墓は、室町時代からあると聞いている。 最近、お墓に関わる仕事をし始めてからこのことが「本当にすごいことなんだな」と感じる。

近年、核家族化が進み、時代も少子高齢化社会から超少子高齢社会へとなり、最近だと「檀家離れ」という言葉もあるように、代々墓を継いでいくという日本古来の文化が崩れてきている。

いろんな住職さんと話をさせていただく機会があるが、檀家と連絡が取れなくなるなんて事例は、よくあるそうだ。 「墓じまい」といって連絡がくるのは、まだ良い方である。

「納骨堂」や「永代供養墓」はたまた「樹木葬」といった新しい埋葬の仕方も増え、家墓といって代々継いでいくお墓はかなり減少傾向にあるようだ。 そんなお墓であるが、そのお墓のデザインも様々のものが近年でてきている。 今日はそのことについて触れたい。

お墓のデザインの種類

みなさんお墓について思い浮かべる形といったらどういったものだろうか? おそらくほとんどの方はこの形を思い浮かべるだろう。

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この墓石のスタイルは日本にある最も標準的な墓の形だ。 「和式角柱型」といって、台石の上に竿石と呼ばれる塔上の石を建てたものだ。 私自身、仕事でよくお墓を見にいくがこの形が今も主流であり、数も多い。私個人の意見でいえば一番荘厳でかっこいい。 まさに日本を代表するお墓だ。この形にも色や形は墓によって違っている。 今度お墓をみる機会があったら、比べて欲しい。その違いを眺めているのも面白いと思う。

では、他の墓地の形には何があるかというと、芝生の霊園でよく見かけることがあるのだが「洋型墓地」と呼ばれる形式のお墓である。 もちろん通常の霊園や寺院の境内にある墓地にも洋型墓地を見かけることがある。 まあ、洋型といっても日本で造り出されたものであるわけで、正式にいえば和洋折衷型といった方がしっくりくる。

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厚めの台石の上に低く幅の広い石を載せた形が一般的な洋型墓地のスタイルであり、芝生墓地などにあるところは横長の墓石で作っている場合もある。 最近では、和型よりも安定感がありモダンに見えることから、とても人気が高い。 公園墓地や霊園によっては景観上「洋型墓」で統一するところもあるくらいだ。 通常、今までの墓には「◯◯◯家之墓」と書かれていることが多いが、この洋型墓地はメインの場所に好きな言葉を入れてあるのが一般的だ。 「絆」とか「和」とか「感謝」とか「ありがとう」など、いろいろ故人の好きな言葉や生前思い入れのあったであろう言葉が墓石に記してある。 名前も「◯◯家」でシンプルに終わっているのがほとんどで、今の人たち向けの新たな墓石のデザインだと感じる。 とてもわかりやすくシンプルなところが私も良いと感じる。

個性豊かなお墓のデザイン

そして、近年注目を浴びるのがデザイン墓地だ。 一般的な形式には完全にとらわれていない、個性的なデザインの墓地だ。 これこそ、まさに今の人の発想のお墓だと感じる。

最近だとTBSでやっている「水曜日のダウンタウン」というダウンタウンが司会のバラエティー番組でデザイン墓地の企画をやっていた。 なんでも芸人のドランクドラゴンの塚地が芸人をやる前に仏壇メーカーに勤めていたらしい。 「こんな形もありなの?」と思うようなデザインが続々出てくる。 下の写真はバイオリン墓。バイオリンが好きだったのだろう。 他にもピアノ墓だったり、ぶっ飛んだデザインの墓だとりんごの形をした墓(故人がりんごが好き)、牛の形をした墓(故人が酪農家)などがあった。 私が一番驚いたのは、故人の家のリビングの形をそのままデザインした墓だ。 テーブルや灰皿までもが墓石でできている。値段も2,000万をかけただけあって、かなりの出来栄えだ。とても見ている分には面白い。

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このように「仏教の教え」とはまるで関係のない墓になっているが、見ているこちら側も楽しいし、なにより故人が一番思い出深いものをモチーフにした墓なのだから、故人も、故人と関係が深かった人物も思い入れが深い墓となるだろう。

家制度から個人をメインとしたお墓へ

最近ではお墓のデザインも、このように高度なものとなってきている。 昔は図面を引いてデザインをしていたが、今ではコンピュータを使って提案しているところも増えてきた。 昔と違って完成品に近い状態で設計されたお墓を前もって見ることができるので、オリジナルデザインの墓を作るにはとても便利な時代となった。

このように墓地のあり方が、「家制度をもとにしてきたお墓」から「個人をメインとしたお墓」へと変化してきている。 故人が忘れられることなく、永い間大切にされるような墓であればどのような形であれ、私はいいのではないかと感じている。

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