終活コラム

vol.61

関東と関西の「お墓事情」

皆さん関東と関西では、お墓や納骨方法に違いがあるのを知っていますか? 地域によって慣習は違うかと思いますが、今回は「関東と関西の違い」を紹介します。

関東の方が大きい「骨壺」

ひとつ目は「骨壺の大きさ」です。

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関東は骨壺が7~8寸と大きめの骨壺を使用し、拾骨の際には、焼骨を全て骨壺に入れます。 お墓の墓石の下にあるカロートも大きめで、骨壺のままカロートに納めるのが一般的です。 しかし関西では、3~5寸と小さめの骨壺を使用します。 骨が全て入らないのでは?と思われる方もいるかと思います。 関西では拾骨の際には、焼骨は一部だけを骨壺に移し、残りは火葬場に委ねます。 関西のお墓のカロートは狭く、骨壺から焼骨を出して納めます。 カロートは土がそのままであることが多く、お骨が土に戻りやすいように、わざと雨水などが入りやすい構造になっている場所もあります。

なぜ大きさが違う?

なぜ関東と関西では、骨壺の大きさが違うのでしょうか? それは「明治時代にだされた火葬禁止令」がきっかけだったようです。 当時の神仏分離政策の一環だったが、土葬の衛生面の問題などから2年後に廃止されました。 この廃止時に、政府が全ての遺骨と遺灰を持ち帰るよう通達を出したようです。関東では通達が行き渡った結果、全てを収骨する風習が定着し、現在に至っています。 しかし関西には通達が行き渡らなかったようです。 元々、関西では宗派の本山に納める分骨用に喉仏部分を「本骨」として重要視する文化があります。 明治以前から本骨を中心に拾い終わると、後を火葬場に任せるやり方が主流のようです。

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また「骨を拾う慣習の違い」があるのを知っていましたか? 関東では火葬した後、足から順番に全身の骨を拾い骨壺に納めるのが一般的です。粉となって灰と混じった骨まで納めることもあります。 ただ関西では、喉仏を中心としたところだけを拾うという慣習があり、残った骨はお墓に埋葬されたり、本山に納骨されたり、手元供養されることが多いようです。

「喉仏」は大事な骨

なぜ「喉仏」が大事な骨なんでしょうかね? それは「仏」の名の通り、その形が座禅して合掌する仏様のようだからです。 喉仏は人間の体の唯一仏様が宿る場所と考えられた故に、部分収骨の際に取り上げられ、骨壺の中でも上部中央という最も目につきやすい位置に置かれるようです。 ちなみに関西のある地域では、喉仏専用の骨壺が存在しています。 納骨方法だけでも、関東と関西でこんなに違うんですね・・。 納骨方法以外にも、お墓にも違いがあります。

お墓の違い

他にも和型のお墓でも違いがあるようで・・ 関東だと水鉢と香炉が別々ですが、関西では水鉢と香炉が同じような場合が多いです。また花を生ける場所も高い位置になっているようです。 関東では水鉢と同じ位の高さにお花を生ける場所があります。 また墓石に使用される石材でも違いがあります。 昔、関西では黒御影石が取れなかったことや「黒い石材を使用すると家が途絶える」と言われたことから、墓石には白御影が多く使用されていました。また関東では、黒御影石が好まれます。 昔は地元の石を使用していたので、関西は白い墓石が多く、関東では黒い御影石の墓石が多く建っていたそうです。 お墓だけに注目してみても、こんなに地域差がある「関東」と「関西」 自分達の地元以外のお墓を見る機会がありましたら、ぜひ自分のところとの違いを発見してみてくださいね。

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