年々増加!?死後離婚ってなに?

終活コラム

年々増加!?死後離婚ってなに?


夫と同じ墓に入りたくない・・・という悩み

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「夫と同じお墓に入りたくないんです・・・。どうすればいいですか!?」 と、お墓を生前にお求めになられる方で、このような相談を持ちかける人がいます。 「妻と同じお墓に入りたくない」と申し出る夫、というケースは殆どないんですけどね。 このように夫に先立たれる形となった配偶者が「同じお墓に入りたくないんです」と申し出てお墓を探す人が実は多いんです。 そのような問題がなぜ起こるのか。 それは、嫁姑問題が密接に関わっています。 例えば、夫がガンなどの病気にかかり、闘病の末にお亡くなりになった。 その結果、同居していた姑との二人暮らしを余儀なくすることとなったケース。 このようなケースでは夫側の親戚からも「おばあちゃんを頼みます」と半ば押し付けのような形で無理やり二人暮らしをすることになり、結婚直後から抱えていた夫の家族への不満が爆発してしまう・・・ なんてことが実際によくあるパターンとしてあります。 ですから、夫とはなんとかうまく生活できていたものの、夫が亡くなってから、「もうこの環境で生活をすることはできない!抜け出したい!」と思う奥さんが多いわけです。 これが、聞きなれない言葉かもしれませんが「死後離婚」の最も多いパターンであります。

実際に死後離婚を行うためには

ですから、「夫と同じ墓に入りたくない」と申し出る配偶者の背景には「夫側の親族(姻族)との関係を終了させたい」という思いがあります。 そのような場合、法律上で関係を終わらすことが可能です。 ではどのように関係を終わらすことができるのか? 実際にもう配偶者はお亡くなりになっているわけですから、「離婚届」を提出することはできません。 ただし、「姻族関係終了届」というものがあり、それを提出した場合、夫側の親族との関係を終了させることができます。 その届け出をした段階で、事実上夫側と法律上で関係が切れることとなり、「死後離婚」をした状態になるわけです。 法務省がだす戸籍統計平成26年度報によると「姻族関係終了届」を出した人の件数は2202件となっていて、これは2009年の段階では1823件でしたので、こうして死後離婚をする人の数は年々増加傾向にあるようです。 といっても・・・ 2009年の段階で1823件も届け出をする事例があったわけですから、今現在話題になっているだけで以前からも同じような悩みを持つ人は多かったのでしょう。 私が知っている事例でも 「夫がいないのに姑の面倒なんて見たくない、同じ墓に入るなんて考えられない!」といって、結婚後30年住んだ街を離れて実家に戻った人もいます。 「姻族関係終了届」の書類も、姑のいる街には戻らず、行政書士に代理して提出したほどの徹底ぶりであり、男性である私には分からないくらい確執が深いなと感じたことがあります。 もし、天国へ旅立った夫がこの事態を知ることになれば、とっても複雑な気持ちになりますね(笑)

死後離婚のメリット

このように根が深い背景がある死後離婚ですが、そのような悩みを持つ配偶者にとって「姻族関係終了届」を提出することは非常に大きな効力を発揮することとなります。 まず、姻族関係終了届を提出することで、姻族との関係を法律上「他人」に戻すことができます。 ですから、これにより姻族への扶養義務がなくなることを意味します。 しかも、これには相手方への同意をとる必要はありません。 提出したその日から夫側の親族とは他人の関係になります。 なので、「夫と一緒のお墓に入りたくない」と言っていた人も、姻族の墓に入る必要性がなくなり、その墓の管理義務も負う必要がなくなるので晴れて自分のお墓を選ぶことができる状態になるというわけです。 さらにいうと、姻族関係終了届を提出しても、姻族との関係が消滅するだけで、夫との関係性だけは変わらないんですね。 どういうことかというと、夫側の親族とは他人の関係にはなりますが、夫の関係はそのままになるので、遺産はもちろんのこと、遺族年金も死後離婚前と変わらず受け取れるというわけです。 そのような効力を発揮する「姻族関係終了届」を使った死後離婚。 「自分の死後、両親のお墓も自分のお墓も妻が守ってくれるだろう・・・」 その思い込みが大変なことになるかもしれません。 生前しっかり配偶者同士コミュニケーションをとるようにしておきましょう。

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