終活コラム

vol.69

意図しないデジタル遺品の処理事情

遺品という言葉から、つい貴重品ばかりをイメージしてしまいがちですが、正確な事を言えば故人の遺した品は全て遺品であって、服や食器や筆記用具などの日用品もその中には含まれます。生を終えた後に、家族に迷惑をかけたくないからといって、遺品を一つも残さずに済ますことはできませんし、全部の遺品に対して、処分法を伝えておくというのも簡単なことではありません。そうした意味で生前の自主的な、捨てておいて欲しいもの、家族に分けてあげたいものと所有物を分別する、終活という行動が重要なものになってきます。

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デジタル遺品

近年遺品整理に関連して、早急に対応するべしと警告がされているものに、デジタル遺品の存在があります。デジタル遺品というのはネット上や機器のメモリの中にある、形のないデータとしての遺品のことで、ブログやSNSのアカウントにネットバンキングの口座、パソコンに保存してある画像や文書などがそれに該当します。 デジタル遺品が問題視されるのは、形ある遺品とは比べ物にならないほどに、それが情報量の多いものだからです。スマートフォンやパソコンのデータは、いわば個人情報の塊であり、放置してその中身が万が一にでも流失してしまえば、故人も個人と親交のあった多くの人も被害をこうむることは避けられません。 これが日記や手帳といった紙媒体のものなら、中身を見ないままにシュレッダーにかけて廃棄もできますが、データでは開いてみるまで何が入っているのかもわからず、ロックされている場合には閲覧に加えて消去もできない事態にもなります。デジタル遺品が扱いに困るといわれるのはそういうわけです。

トラブルを防ぐためには

デジタル遺品でのトラブルを防ぐためには、終活の一環として、個人データの整理まで忘れずに行っておくことが重要になります。 ネットバンクの口座やネットで運用している株など、資産として数えられるもののことは家族に所有している事実を話すか、自分が亡くなったのちに直ぐに家族に存在が伝わるように準備をするのがよいでしょう。ログインIDやパスワード、暗証番号などもしっかりと残し、家族が後に解約をスムーズに行える用意を揃えておくのです。 プログやSNSのアカウントについても、削除を望むならその活動の実態を、家族に認識してもらうようにします。プライバシーに関連することですから、よく対応を考えて実行してください。 家族にも誰にも見られたくないデータがパソコンやスマートフォンの中にあるという人は、そのファイルデータは表面的には見えないように隠し、デバイス全体のデータ消去や初期化がパスワード一つで容易にできる状態を作っておくとよいでしょう。後は家族にパスワードが伝わる簡単な工作を行えば、つつがなく処理をしてもらえるはずです。

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