知っておきたい戒名の話

終活コラム

知っておきたい戒名の話


今回は戒名についてのお話です。 戒名とは、本来は出家修道者に対して仏門に入った証として受戒の師僧により与えられる名前の事で、生前に授けられるものでした。 それが後世になり、死後に浄土で出家して最終的には仏になると言う浄土思想にもとづき、死者に戒名を与える風習が生まれ、葬儀の際に僧侶が付ける死後の名前という認識に変化したものです。 戒名は、中国などの大乗仏教の国でも授けられていますが、死者に戒名を付けるのは、日本独自の風習です。

94-01

法名と戒名の違い

日本で最も信者数の多い、浄土真宗(真宗大谷派、浄土真宗本願寺派)では、正式には戒名と呼ばずに法名と呼んでいます。 この理由は、戒名は仏弟子として戒を護り抜く事を誓い授けられるものですが、浄土真宗では「戒を守り抜くことはできない凡夫たる一切衆生は、阿弥陀如来の誓願によってのみ救われる」という教義により受戒を行わないためです。これは、浄土真宗が在家仏教である事の象徴の1つと言えるかも知れません。 また、日蓮宗では法号と呼ぶのが正式です。

御釈迦様(元)

戒名の位号と院号

戒名の下には信士(しんじ)・信女(しんにょ)や居士(こじ)・大姉(たいし)と言った尊称が付いていますが、これは位号といって位階をあらわす称号です。 

例えば、信士・信女は、仏の教えを信じ、清らかな生活を送る在家の信者という意味を持っています。さらに信心深く、仏教の教えを実践し、誰からも人徳があるとして尊敬される人に対して男性なら居士、女性なら大姉と言う位号が与えられます。 さらに位号の上に院と言う文字を付け、院居士と言った戒名を付ける場合もあり、これを院号と呼びます。この院号は本来、天皇が退位した後に住んだ屋敷の名前が起源で、院号が戒名の尊称となったのは、ある寺院を建立した貴人に付けられたのが最初で、生前に寺院を寄進するほど貢献した人に与えられる戒名です。 さらに、浄土真宗の法名には、その上に釈・釈尼の文字が付されますが、これはお釈迦様の弟子になると言う意味を表しています。

94-02

戒名を付けてもらう費用

一般的に、戒名を授けてもらう場合、位号が高くなり、また院号が付けられると、お布施の相場が高くなる事は知られています。

相場としては20万円程度から、院号が付いた最高の格の戒名なら100万円とも言われています。しかし、この戒名や法名を付ける相場は、地方やお寺さんによって様々です。最近では、戒名料や法名料が高すぎるとして格安で戒名や法名を付ける僧侶もおられます。 高額のお布施をして、立派な院号や位号を付ける方がおられますが、立派な位号や院号を付ける事で供養が尽くされると言う訳ではなく、その方の信心深さや人徳に合った戒名を付けるのが正しいと言えます。 生前に信仰心など無かったのに、遺族が葬儀で高額のお布施をする事で、信心の深さや人徳によって付けるべき高い位号の戒名を授かるのは、むしろ滑稽でおかしな話だと言えるのかも知れません。