多様化する葬儀!

終活コラム

多様化する葬儀!


多様化する葬儀のスタイル

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「自分がやりたいような葬儀をしたい!」 「故人が喜ぶような葬儀をしたい!」 近頃、そのような思いで葬儀の相談に来る方が多い。 以前は故人に関係のあった人たちが多く参列し、お通夜から葬式、告別式までを行う一般葬を選ぶのが通例だったが、近頃、そのような葬儀の仕方に変化がでてきた。 ちなみに今都内で一般葬を行う割合は全体の22%に過ぎない。 もっといえば、一般葬の中でも200人以上を超す方が葬儀に参列する大型葬と呼ばれる葬儀は全体の3%とかなり減少した。 では、その理由は果たしてなんなのか? それは「核家族化の進行」や「宗教心の希薄化」「少子高齢化」などの社会的な問題も踏まえ、現代人の考え方(価値観)が大きく変わってきたのが挙げられる。

費用をあまりかけない
まず、葬儀・お葬式の傾向として挙げられるのが、余分な費用をあまりかけない人が多くなっている。 以前は「人並み以上のお葬式を」といって、葬儀の簡略化をすることは故人に対して十分な供養がされていないと思われてきた。 しかし、今は合理的な考えを持つ人が多く、逆に葬儀に費用をかけない人が多くなっている。 特に、そのような葬儀に費用をかけるのであれば、 「その費用で、好きなことをしたり、旅行をしたりと老後を楽しむ費用にまわしたい」 と考える人が多くなっている。 これも以前と大きく価値観が変わっていることだ。
生前に相談をする人が増加
また「終活」という言葉があるように、生前に自分で葬儀を決める人が多くなっていることも影響している。 以前は、 「まだ元気なうちにお葬式の相談をするのは縁起が悪い」 と言われてきた。 しかし近年では、 「自分の死後に子供に迷惑をかけたくない」 「自分の納得する形で葬儀をしたい」 という理由で生前に葬儀の仕方を相談する人が増加している。 通常、亡くなってから葬儀を行うまでの間は、日数的に非常に迫られたものとなっていて、葬儀の形式をじっくり考えることができない。 ただ生前であれば葬儀に関して、自分自身の意向や予算に応じた葬儀の形式、または場所などを選択することができる。 そのようなこともあり、近年は様々な葬儀の仕方が出現してきているのだ。

主流となっている葬儀の形式

では、どのような葬儀の形式が近頃主流となっているのか。 ここ数年、葬儀の仕方には大きく変化が表れており、その一番主流となっている葬儀の形式が「家族葬」といった葬儀だ。 家族葬とは、ごくごく親しい人のみで限られた人数だけで行う葬儀であり、都内では58%の方々が家族葬を行っているという事実がある。 親しい人だけを招き葬儀を行うので、周囲をあまり気にすることなく、じっくり故人とお別れができるのが利点だ。 一般葬であると、故人がお亡くなりの時から、お通夜・葬儀・告別式までをやるなかで、その業務に追われ、故人とのお別れをじっくり行う時間がないという悩みを持つ遺族が多い。 家族葬はそのような悩みを解消し、なおかつ小規模なので費用的に抑えて葬儀を行うことができるのが現代人のニーズに合っているのではないか。 家族葬の相場としては50万円。 一般葬と比べたら非常に価格が抑えられたものとなっている。 他にも、「火葬式」といって葬儀をせずに火葬だけを行う葬儀の形式もある。 火葬式は直葬とも呼ばれ、経済的に葬儀を行う余裕がない方、残された遺族に負担をかけたくない方が行う。 特に 「亡くなった方が高齢で知人がほとんどいない」 「親族がほとんどいない」 「費用をとにかく抑えたい」 「無宗教者であり、葬儀を行うことに疑問を持っている」 そういった場合は火葬式が適しているといえる。 ただし、 「葬儀に参加してお別れをしたかった」といった親族や知人は非常の多いもの。 そのような人たちへの対応には注意をしておく必要がある。 親族や知人に葬儀を行わない旨の連絡をして、事前に理解を得ておくようにすることが火葬式を行う上でとても重要なことになる。 さらには一日葬といって(ワンデーセレモニーと呼ばれる場合もある)、通夜を行わず、葬儀・告別式のみを一日で行う葬儀の形式や、無宗教者のためにある音楽葬、ホテル葬、または散骨をする人が行う自然葬、変わったものといえば宇宙葬といった葬儀の形式もある。 正直、葬儀の種類にはキリがなく、ここ数年で様々な葬儀が表れた。 ここまできて思うのは、要は「葬儀の仕方に決まりはない」ということだろう。 自分の考えることがほとんど葬儀として行えるのが今の日本の葬儀といえる。 確かに葬儀、お葬式には法的に義務はない。葬儀をしないことも実は可能である。

ただ、葬儀をしない場合でも

  • 亡くなった場所からの搬送
  • 故人の納棺、安置
  • 死亡診断書の提出
  • 火葬(埋葬)許可証の取得
  • 火葬を行うこと

は義務としてあるので、必ず行うことは必要だ。日本で葬儀を行う以上は理解をしておかなくてはならない。

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簡略化する葬儀・・・注意することは?

このように葬儀には様々な形式があり簡略化が進んでいるのだが、そのような葬儀をする上で注意をすることがいくつかある。 まず先ほど、直葬の時にも記載したが 「親族や知人の同意をきちんととること」 親族や知人に連絡をすることを怠ってしまうと、後々「弔問をしたかった」といった人に迷惑をかけることになる。 葬儀後に「弔問をしたかった・焼香をしたかった」といった多くの人から連絡がきたり、家に直接訪問しにくることがあったりと結局、「簡単に済まそうと考えて選んだ葬儀が逆に大変だった」ということになる場合もあるので注意が必要だ。 そう考えると、簡略化する葬儀に比べ、一般葬の方が大変ではある反面、「葬儀が終わってからは普通の日常に戻れる」といったメリットがある。 さらに葬儀にかかる総額の相場が230万円といわれる一般葬。 このように言われると支出の負担の大きさに目がいってしまいがちだが、「香典」という収入の部分があることも忘れてはならない。 一般葬の場合、「香典の収入で葬儀の支出が賄うことができた」というケースもある。 そのようなケースは様々な条件が合わないとならないが、家族葬の金銭的な負担よりは軽減する場合が多い。 だからこそ、「安い」だけで葬儀を選ぶのではなく総合的にみて判断することが賢明といえよう。 選択肢が多い分、自分自身の、または故人の意向、親族の考え、予算、場所などを踏まえて葬儀を慎重に選択することが大切である。 それが今の時代、そしてこれからの「日本の葬儀のスタイル」である。

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