終活コラム

vol.13

著名人から学ぶ終活

以前のコラムでも墓のデザインも様々なものがあることを紹介した。 従来のお墓の形から、西洋型の墓地、それに特徴的なデザイン墓地がある。 自由な霊園だと、様々な形の墓を見ることができるので行ってみるとけっこう面白い。

今では芸能人の方でも、デザイン墓地をたてる人がいる。 最近だと、去年の9月にガンのため亡くなった女優の川島なお美さんもその一人だ。 夫であるパティシエの鎧塚さんと結婚し、第二の人生を歩まれていたのが記憶に新しい。 54歳の若さでこの世を去ったのは非常に残念である。 川島なお美さんは芸能界でも、お酒好きとして知られていて、特にワインやシャンパンが大好きだったそうだ。 手術前日に書いたエンディングノートでは、偲ぶ会で集まってくれた人にワインを飲んで欲しいと書いていたという川島なお美さんを印象付けるエピソードでもある。 TVを見ていても、その発言や雰囲気から「かっこいい女性」として世間に認知されていたのではないだろうか。

そんな川島なお美さんのお墓がこれだ。

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生前の川島なお美さんを印象付けるにはぴったりの墓である。 花も真っ赤なバラの花を供えており、非常にデザイン墓地の中でもインパクトがある。 オシャレな帽子を墓石にかけ、メインのところには生まれ年のロマネコンティをデザインしたお墓だ。 まさにデザイン墓地だといえる、個人のイメージが強く印象に残るお墓である。 このお墓は全て夫の鎧塚さんが考えたと言われていて、大好きな妻を思う夫の気持ちもこのお墓から感じ取ることができる。

このようにデザイン墓地とは従来のスタイルではなく、常識を覆したスタイルであること分かるだろうか。

他にも、昨年11月にお亡くなりになった漫画家の水木しげるさんのお墓もそうだ。

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水木さんといえば日本を代表する漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者であることは誰もが知っている。 そんな水木さんの墓は、周りが鬼太郎やねずみ男で囲まれていて、いかにもこちらも水木しげるさんの墓だとしっかりと印象付けるようなデザインの墓となっている。 ここには全国から水木しげるさんのファンが訪れる。

このお墓は水木さんが60代の時にたてられたものであり、93歳で生涯を終えた水木さんの場合、随分と前から「終活」をしていたことがわかる。 もちろんその時代に終活という言葉もなく、デザイン墓地というものもない。そんな時代に、生前にこれだけの準備をしておく水木さんは非常にすごい。 お化けの漫画を生涯描いていただけあって、墓地という場所には思い入れがあったのかもしれない。 水木さんのように生きている時に、お墓をたてておくことでもいい。

このように自分が亡くなった時に入る場所を自分自身で決めておくことも終活の一つである。 「自分の子供や身内に、死んだ時なるべく迷惑をかけたくない」という思いから、お墓を前もって準備しておく人もいる。

川島なお美さんのように「偲ぶ会の時にワインをだしてほしい」ということなど、仏事に関してもメッセージを残しておくことも可能だ。

このように伝えたいメッセージや、他にも友人や知人の連絡先・貴重品や加入している保険、さらには携帯の情報までも事前になんらかの形で記して残しておくと、自分の葬儀の時に来て欲しい人に参列してもらえ、自分が亡くなった後も周りに迷惑をかけなくて済む。

終活というとネガティブなイメージを持つ人もいるが、実はそのような準備をしておくことは、周りの人にとっても自分にとってもとても大切なことだ。

我々人間は「死んだら終わり」とは思わない。 死んでからも周りの人たちの記憶に残り続ける。 「死んでからも自分らしく!」 「死の迎え方」を考えるのが終活であるが、人間「死」を一度本気で考えてみることによって、今をよりよく生きていくことができる。 なにも先のことを考えるだけが終活ではないと思う。

人生の終わりを考えることによって、今現在たくさんの人に支えられて生きていられることがより実感できるのも「終活」の魅力である。 一度、「人生の終わり」をどう迎えるかを考えてみるのもいかがだろうか。

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