終活コラム

vol.133

これからのお墓選び

永代供養を選択する人が増加する背景

近年、死後に「永代供養」を求める人が増えてきています。永代供養とは、家族や配偶者等、自分の死後にお墓を継承する人がいないということを見越した供養のかたちです。通常、お墓は家族に受け継がれるものですが、様々な理由からお墓を受け継ぐ人がいない人がいます。そのような場合、永代供養というかたちを選び「自分の死後に周囲に面倒をかけまい」とする人は多いものです。 今回は、昔とは変わりつつある日本の家族のかたちやお墓、死後の在り方についてお話ししましょう。

お墓を持つことを躊躇する人々

お墓は、先祖代々継承されていくもので、昔は1家族に1つ持たれることが普通でした。しかし、現在では家族の在り方の違いから、経済的事情でお墓を購入することが難しくなったり、お墓を維持する人がいないといった問題を抱える人も少なくありません。そのため、お墓を持たないという選択をする人も増えてきています。 ここでは、お墓を持つことを人々が躊躇してしまう原因について、いくつか例を挙げてご説明しましょう。

(1)進む核家族化
昔は家族の子どもが結婚した場合、子ども夫婦と両親が同居し、孫が出来て家族が増えるといったスタイルが一般的でした。しかし、現在は核家族化が進んでおり、その家の子どもが結婚すると同時に家を出、両親とは別居することが増えました。そして、家族同士の距離が徐々に離れ、お墓参りも面倒になっていくものです。離れた地元までわざわざお墓参りに来てもらう手間や、子どもにお墓の管理をさせるのも悪いと感じ、永代供養を選ぶ人は増加しています。
(2)生涯未婚率、子どもを持たない人の増加
現代の日本で大きな問題になってきているのが、少子化ですが、その原因の一つに生涯未婚率の増加があります。2015年時点で、日本で50歳になるまでに1度も結婚したことが無い人は男性が23%、女性が14%にのぼります。これは、2010年から男女ともに3ポイント以上の増加で、生涯未婚率は増加の一途をたどっています。原因には男性の所得の減少や女性の社会進出が挙がることもありますが、結婚にメリットを感じない人の増加もおおいに影響しています。自分のお金や時間を自分のためだけに遣いたいという考えや、インターネット技術の向上により独り身でも楽しい日々を過ごせる環境があること等、「お独り様」でいることに不自由を感じない環境、世間の風潮が広がりつつあります。 また、子どもをつくる人数は昔に比べ減少しています。そして、結婚をしても子どもを持たない夫婦も増えています。男性の所得の減少から、共働き夫婦が増えたものの、子どもを持つことで女性への負担ばかり増加してしまうことや、保育園が足りていないといったことから、子どもをつくることを躊躇ってしまう夫婦が増えているのです。 このように、パートナーや子どもがいない人々にとって、お墓は大きな負担になると考えられます。
(3)高齢者の状況にも変化が
高齢者の健康や経済状況にも変化があらわれています。医療の発達や、食文化の変化等により、昔の60代と現在の60代では健康状態が全く違います。高齢者といわれる人々が昔より元気で、仕事も続けられる人が多いため、昔より経済的にも豊かな高齢者が増えています。そのため、子ども達に面倒をかけず、自分達だけで余生を過ごすことや、死後も周囲に迷惑にならないようにと永代供養を選ぶ人もいるのです。

永代供養のスタイル

色々な理由から永代供養を選ぶ人が増加しているわけですが、一口に永代供養といっても様々なスタイルがあります。

(1) 合祀墓(ごうしはか・ごうしぼ)
合祀墓とは、複数の方々を納骨出来るお墓です。管理するのはお墓に入る人の親族ではなく、その合祀墓を持つ寺院で、毎年春と秋のお彼岸、お盆等の決まった時期に供養してくれるところが多いようです。合祀墓への埋葬は生前に申請することも可能で、埋葬後の管理費用等も生前に支払うことが出来ます。
(2) 納骨墓(のうこつぼ)
納骨墓とは、建物内の専用のロッカー室等に納骨する埋葬のスタイルで、通常のお墓のように家族が管理することも出来ますが、永代供養も可能です。お墓に比べスペースも費用も抑えられ、アクセスの良い場所におかれていることも多いため、近年永代供養の一つのかたちとして人気が高まってきています。土地が狭い日本にも、死後に面倒をかけたくないという現代の人々の風潮にもマッチした永代供養のスタイルといえます。

まとめ

現代の日本では、死後もスマートにすっきりとしていたい、周囲になるべく迷惑をかけたくないといった考えの人が増えてきています。そのため、生前に永代供養を考える人も多く、永代供養のスタイルも多様化しています。

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