終活コラム
vol.15
お盆とどう違う!?お彼岸について
暑さ寒さも彼岸まで〜 って言葉ありますよね。
日本のお彼岸!といえば季節の変わり目を実感させる「季節のシンボル的存在」ともされていますが、 みなさん、そもそも「お彼岸」ってどういう行事がご存知ですか? お盆との違いがちゃんとあるの知ってます? 私はまた知りませんでした、笑
お墓の会社に入ったのですが、こう無知なことが多すぎます。 私はお彼岸といえばお墓参りに行くイメージがあります。 でも・・・それってお盆もそうですよね。 「じゃあ、その違いってなんなの?」という話なのですが、一番の違いはお盆は「先祖の供養」のための儀式で、お彼岸は「仏教の教えを生活の中で実践する日」がメインの儀式だそうです。
もっと噛み砕いでいくと、お彼岸の「彼岸」の言葉の意味は「向こう岸」という意味で、仏教でいえば、極楽浄土(天国)のことを指してます。 そして、その対義語が「此岸(しがん)」といって「こちらの岸」つまり、この世のことをさします。
仏の教えでは、彼岸(極楽浄土)に行くには、生前に此岸(この世)で、仏教の教えをきちんと守っていけと! そうじゃない人は、極楽浄土にいけねーぞと、説いてるわけです。 でも、ちゃーんと仏教の教えを守っていれば、此岸から彼岸へと渡っていけるわけです。 「正直者が馬鹿をみる」なんてこと、此岸(この世)では残念ながらありますよね。 日々迷ったり、悩んだり、そんな瞬間や出来事は誰しもが経験しているはずです。
そんな時に「自分はどちらの道に進むのか」悪い道を選ぶのか、それとも正しい道を行くのか。 人間誰しも正直に生きたい!それでも正直な方を選んだからといって自分の身が保証されるわけでもないし・・・。 って、そういう煩悩などが人間には本能としてあるわけです。動物ですもん。 楽な方に楽な方に考えちゃったりして。 そういう状態になってしまうと災難が降りかかってくると・・・。 そうなると極楽浄土にもいけませんよって説いてます。
そのようなことを昔の人は経験してきているわけです。その身を引き締めるためにも、このお彼岸のときに「普段の自分はどうなっていたか」を考えて、また先祖の人たちに想いを馳せながら、仏の教えをもう一度叩き込む、修行をするのがお彼岸ってわけです。
じゃあ、そもそも仏教の教えってなんなのよ!と思いますよね。 実はちゃんとあるんです。こうすれば極楽浄土にいけるという6つの項目が! これは正式には六波羅蜜と言って、仏教徒が実践すべき大切な教えとされてるんです。
- その1、「布施(ふせ)」他人へ施しをすること
- その2、「持戒(じかい)」戒律を守ること
- その3、「忍辱(にんにく)」不平不満を言わず耐え忍ぶこと
- その4、「精進(しょうじん)」常に仏道を精神努力すること
- その5、「禅定(ぜんじょう)」心を安定させること
- その6、「智慧(ちえ)」真実を見抜く力を働かせること
難しいですね。そのような教えを僧侶の人たちは一般の僕たちにも説いてくれるのも僧侶の役目と言われています。 この教えについてしっかり聞いてみたい人は、彼岸会に実際に参加してみてみましょう。 そういう正式な法要に参加することは、伝統的な仏教文化に触れる機会でもあるし、自分の心の供養にもなりますよ。 まぁ・・私も実際に言ったことはないので、今年はぜひ参加してみたいと思っています。 自分の菩提寺がある方はそちらに参加するのもいいですし、インターネットで募集している寺院もあるのでそちらから行く方法もありますよ。
春分の日を挟んで3日間、秋分の日を挟んで3日間。どちらの時期も同じように寺院では彼岸会をやっているので、チェックしてみましょう。 ちなみに「暑さ寒さも彼岸まで」っていうのはきちんとした理由があって、西方浄土という彼岸(極楽浄土)は西にあるという仏教の考えから、太陽が一番真西に沈む日にできた儀式なんですよ。そこから春の彼岸を終えると、日は徐々に長くなり気温も上がっていくし、反対に秋の彼岸を終えると日が短くなって気温も徐々に下がっていくと。 ですから、「暑さ寒さも彼岸まで」というのは間違っていないんです。 ちなみに日本独自の仏教行事なので、インドや中国に「お彼岸」はありません。 以上、今日は「お彼岸」に関してのコラムでした。