終活コラム
vol.18
檀家って?
お寺にお墓を持つ場合、「檀家」にならないといけないと耳にしたことはありますか? 大体のお寺が檀家制度が残っていると思いますが、そもそも「檀家」って何だろうと疑問に持つ方もいると思います。 そこで今回は「檀家」について調べたいと思います。 「檀家」と聞いて想像することは、なんでしょか? 私の印象は「なんか色々お金も掛かって・・面倒くさそうだな・・」と思っていました。 なぜ檀家にならないといけないのでしょうか? 必ず檀家にならないといけないのでしょうか?
檀家の意味を調べると・・「特定のお寺に所属し、葬祭や供養などを専属で営んでもらう代わりに、そのお寺を経済的に支援する家」のことを指すようです。 ・・なんか意味を調べただけで、すでに大変そうな感じですね・・ ちなみに浄土宗では信徒(しんと)・浄土真宗では門徒(もんと)と呼ぶそうです。
本人は知らなくても両親に聞いたら、どこかのお寺の檀家だった・・ということもあるようなので、一度聞いてみたほうがいいかもしれないですね。
そもそもいつから檀家というのはあるんですかね? 調べると、やはり江戸時代。 江戸時代といえば、庶民にも寺院にお墓を埋葬する文化が定着した時代ですから、文化が定着するのと合わせて「檀家制度」が始まったんですね。この制度、他の仏教国に例をみない日本独特のシステムだったようです。また国民の義務だったようで全ての世帯が、どこかのお寺の檀家にならないといけなかったようです。
今はというと・・義務ではないので安心して下さい。 現在は核家族化が進み、地方に住む両親と離れて都市部に移住する世帯が増えているので、仮にどこかの檀家だったとしても住職様を招いて葬祭や供養をお願いするとなると・・ 大変ですよね・・ そのため檀家さんと疎遠になっていき、檀家離れが現在増えているようです。 まぁ・・あまり檀家になっても葬儀や法要を行ってくれるだけだし、わざわざ檀家にならなくてもって思いますよね。 今、お寺は「葬儀・法要を行うところ」というイメージが強いですが、でも本当の役割は違うのを知っていますか? 本来、お寺は葬祭や布教の場であるだけでなく、地域における教育や福祉・文化の拠点としての役割を担っていたんですよ。
「寺子屋」って聞いたことありますよね? 学生の時、社会の授業で出てきたと思いますが、昔はお寺で教育が行われていたと習ったと思います。 そう、お寺は本来、地域の人達の学びのでもあり、何かあった時の避難所の場所でもあったのです。 家族に暴力を振るわれた、家を追い出された、地域で困ったことが起こった・・ このようなことがあった場合、昔はご住職様が手を差し伸べ、仲裁に入ってくれる存在でもあったのです。
葬祭や供養などを専属で営んでもらう代わりに、なんでそのお寺を経済的に支援しないといけないの?と思うかもしれません。でも本当は、いつも困った時に無償で手を差し伸べてくれるお寺・ご住職様が困っていたら、今度は私達が支援していこうという意味が含まれているようです。
檀家になるとお金がかかりそうというイメージですが、高額な費用を請求するお寺は、ごく稀のようです。 人との関係が薄れ、家族間の悩み事も誰にも相談出来ない現代。 お寺は敷居が高そう・・など色々、不安もあるかもしれませんが、フレンドリーなお寺も多いようです。 何でも話せる友人が一人増えるといった感覚で、一度ご住職様と接してみるのもいいですね。