終活コラム
vol.19
「遺骨置き去り化」知っていますか?
皆さんは、お墓をもう持っていますか?
日本消費者協会が実地したアンケート調査によると「墓地がある」と回答した人は全国平均で62.7%の人が墓地を所有しているようです。
ただ残りの3割近くの人がまだお墓の準備が出来ていないようですね・・
まだ先のことだし、まだ墓地を購入するとか想像出来ない・・と思われる人もいると思います。
私も準備した方がいいのかなと思う反面、購入している自分をまだ想像出来ません・・
ただ皆さん、気をつけて下さいね・・。
ここ数年、「遺骨」を「忘れ物」という形で放置するという事例が増加しているようです。
うっかり忘れたのかなと思いますよね?
実は・・故意的に忘れているそうです。
火葬した後、お墓に納骨せず遺骨を「置き去り」にしているようです。
「忘れる場所」はというと、電車の網棚やスーパーのトイレなどに忘れるようです。
よく私達が利用する場所ですよね・・。
では、なぜ故意的に忘れていると思われるのか?
実は遺失物の骨壺には共通点が多いようです・・。
発見される骨壺には戒名札や火葬場を特定できるような包みが取り除かれていて、誰が置き去ったのか分からないようになっているのです。
現在、実態は詳細に公表されていないようですが、過去に西日本で40個、警視庁で10個近く発見され、年々増加傾向にあるそうです。
・・皆さんは、どう思われますか?
「故人に失礼だ。」「罰当たりだ」などなど、色々思われるかもしれません。当たり前です。
私もこんなことをする人がいるのかと正直、びっくりしました。
ただある経済紙で県警の担当の方が「遺骨を遺失物にしたということは、一度は遺骨を受け取っているということ。その後、様々な事情で遺失物にしてしまったのだろうが、遺骨を受け取っただけ、死者への愛情は多少なりとも残っていたのではないだろうか。遺骨を置き去った人をむげに批判すべきでない」と語っていたそうです。
・・本当はちゃんと供養したかった人が大半なのかもしれません。
だって多くの遺骨は布や風呂敷に丁寧に包まれ、目立つところに置かれているそうですから・・。
自分では供養出来ないけれど、せめて早く誰かに見つけてもらって供養してほしいという気持ちがあるのもしれませんね。
でも、なぜこのような事件が起きるのか?
それは「経済的困窮」が要因の一つのようです。
お墓を購入する場合、最低でも100万以上はかかります。
他にも数千円~程度の年間管理費などがあり「貯蓄ゼロ世帯」が増加傾向にある現代、急に工面出来る人はごく一部ではないでしょうか。
遺骨を勝手に破棄することは「死体遺棄」にあたり、懲役3年以下の処されます。
「私は遺骨をそんな置きざりになんてしないわよ。」と思われる方がほとんどだと思います。
勿論、私だってしないです。
でも現在、お墓を購入する余裕がなく、自宅で遺骨を保管している人は何百万柱もあるといわれており、今後も増えていくといわれています。
また火葬の後、遺族が「お金は払うから、そちらで何とかして」と遺骨の持ち帰りを拒否するケースも増えているそうです。
変化が目まぐるしい現代。
いつ何が自分に降りかかるか分かりません。
大切な故人の遺骨が「置き去り」化にならないように、ご家族で先々のことを相談しておきたいですね。