終活コラム
vol.20
お墓がなくなる日
お墓に求められるもの
お墓はなくなると思いますか?
なくなるなんてあるの?と思われますよね。 でもある雑誌では今、お墓事情は「安近短(あん・きん・たん)」化が進んでいていると記事になっていました。 「安近短(あん・きん・たん)」ってなんだ?と思われた人もいますよね・・ 一つずつお答えしていきますね。
「安(あん)」は、「安い」の略で、お手頃さを重視している人が増えているそうです。 従来のお墓を購入するとなると、最低でも100万円はかかりますからね・・ しかも墓石は購入出来ても土地は、お寺から借りるだけで自分の土地になるわけではないですからね・・。 このご時世、家を買うのと同じくらい簡単に手が出せるものではなくなりましたよね。
次に「近(きん)」は「近い」の略で、交通の利便性を重視しているそうです。 今はみんな多忙ですからね・・ やっぱり自宅から近い場所や交通のアクセスが良い場所にあると、いつでも会いに行けますし助かりますよね。 会いたい時に会えないと寂しいですからね。 バブル経済前後は霊園ブームだったようで、ブーム時に郊外の霊園にお墓を購入された人達が今、自宅近くにお墓を買い直すなんてことも起こっているみたいですよ。 駅近くというと納骨堂やアクセスの良いお寺に買い直しをしているのでしょうかね。
最後に「短(たん)」は「短い」の略のようですが、何が短いのが良いか分かりますか? 実は・・「お墓の所有期間」なんです。 従来のお墓を購入した場合、家単位のお墓なので、子供や孫と何十年・何百年と引き継いでいくものでしたが、今は少子化の影響で子供がいなかったり、何よりも「子供に負担をかけたくない」という気持ちから、「永代供養墓」を選ばれる方が増えているようです。
現に、納骨堂でもお寺でも霊園でも「永代供養墓」の設置件数は、増加傾向と言われています。 また何よりも従来のお墓や納骨堂で購入するよりも費用も抑えられるとのことで、注目されているようです。
以前、TVインタビューでも都内の住職様が「従来のお墓は、無縁になっているのが増えています。何十年、数百年後には従来のお墓はなくなっている可能性が高いです。 今後はさらに、個人墓や永代供養墓をご希望される方が増えていくと思います。」と答えていました。
ライフスタイルと共に変化するお墓事情
もしかしたら数十年後には、従来のお墓を持っている人はいなく、数百年後には写真ではみたことあるという産物になっているかもしれませんね・・ 「それはないでしょ」と思われる方もいるかもしれません。 でもそうでしょうか・・?
周りを見渡してみて下さい。 今は一人一台が当たり前の携帯は、今ほどコンパクトだったでしょうか? 最初は肩掛けの携帯でしたよね? TVも今のように薄型ではなかったですよね? 家事用品全般も今のように手軽ではなかったですよね?
私達の周りを見渡すだけでも、様々なものが時代と共に変化を遂げていますよね・・。 昔は有り得ないと思われる夢物語のようなことが、今では、当たり前の出来事として日常に溶け込んでいます。 お墓にも同じ現象が、すでに起きているのです。 従来のお墓の存続が現在、危ぶまれ、様々な形態のお墓が出現しています。
「あんなのお墓とはいえない」と思われるようなお墓もあるのかもしれません。 みなさん様々な意見があると思います。 でも時代は変化を遂げるものです。
大事なのは供養の気持ち
形態がどんどん変化してしまうのは、やむを得ないことですが、ご先祖様を供養する気持ちは相手を想う気持ちさえ忘れなければ何も変わりません。 皆さんはこれからどんなお墓を選びますか? ・・もしかしたら数百年後には、プロジェクターから3Dでお墓を出現させて、自宅でお墓参りが出来るようになっているかもしれませんね・・。