終活コラム
vol.33
法要の手順
法要とは
一般的に「法要」とは「法事」と呼ばれていますが、厳密に言うと「法要」は僧侶にお経を読んでもらい供養することを指していて、その後の会食までを含めたものを「法事」と呼びます。 「遺族が亡くなった人の冥福をお祈りするために行うもの」が法要です。 その中でも、お墓を建ててから遺骨を納めるまでの間に修めなければならない大切な法要がふたつあります。
お墓に魂を入れる「開眼法要」
お墓は建てただけでは、ただの「もの」に過ぎないとされています。開眼法要を行うことによって、仏様の魂が墓石に入り、ただの「もの」から仏塔になります。 ですから開眼法要を行うことによって初めて、手をあわせるのにふさわしいお墓になるわけです。 地方によっては「開眼法要」は呼び方が違っていて、「開眼供養」「入魂式」「魂入れ」「お性根入れ」などと言うところもあります。
開眼法要は、一周忌や彼岸、お盆などの仏事に行われることが一般的です。 僧侶の他にも親族などにも参列してもらいましょう。
ちなみに近年、生前にお墓を購入する人が増えていますが、その場合は建ててから出来るだけ早く開眼法要を行うのが良いでしょう。 開眼法要をしないまま、何年もお墓をほったらかしにしておくのは、あまりいいことではないと言われています。
問題として霊園墓地にお墓を購入し、菩提寺のお坊さんが遠方にいて都合が合わない場合や、そもそも菩提寺が無いという方は、お墓を建てた石材店や霊園事務所に相談をすれば法要をしてくれるお坊さんを紹介してくれます。 また法要に必要な仏具の手配についても石材店や霊園事務所が手配してくれる場合がありますので、一度話を聞いてみましょう。 日取りについては
手順①「法要を行うお坊さんの予定を確認」
手順②「参列する人の都合を確認」
※お彼岸やお盆はお坊さんの都合がつきにくいので、若干日程をずらさないといけないことが多いですので早めの確認をしてください。
納骨の時に行う「納骨法要」
遺骨は葬儀後、しばらくの間自宅に安置してから、お墓に納骨します。その際に行うのが「納骨法要」と言います。 納骨法要も開眼法要と同様に、お坊さんに来てもらいお経を読んでもらいます。 納骨する時期は一般的には四十九日が多いですので、忌明け法要と一緒に納骨法要をしてもらう場合がほとんどです。 しかし、これも宗教宗派や地方によって変わってきますし、最近では火葬後すぐに納骨するケースもあるようです。 また家族の誰かが亡くなってからお墓を購入した場合は、お盆やお彼岸、一周忌などに開眼法要と一緒に行うケースも多いです。 どちらにしろ、日程についてはこちらから決めずに法要を行うお坊さんや参列する方の都合も考えて決めた方が良いです。
法要のすすめ方(開眼法要と納骨法要を同時に行う場合)
準備1.あらかじめ周りを掃除して墓地を清潔にしておくこと
準備2.線香・ローソク・酒・水・花・米・塩・供え物(野菜・菓子・果物)等を用意 して、墓地に事前に配置しておくこと
①本堂で住職の読経を行う。(寺院で行う場合)
②参列者が墓前に集まり、住職の読経をしてもらう。
③カロートに納骨する。※カロートとは…お墓にある遺骨を納める個室のこと
④墓石に水をかけ、花や線香などをお供えします。※お供えは終了後、持ち帰りましょう。
⑤参列者、お坊さんを含めて会食をします
基本的な流れはこのような形になっておりますので参考にしてみてください。 ちなみに仏壇も開眼法要をしなくてはなりません。 身内がなくなって四十九日がたち、位牌を仏壇に安置する際にお墓の開眼法要と同様に、お坊さんに来ていただき、法要を行ってもらいましょう。
法要の際に大切にすること
法要は残された遺族が故人を思い出す大切な時間となります。 その反面、法要を行う際には時間もかかり、経済的な負担も大きくかかります。 だからといって蔑ろにせずに、僧侶の方と相談してみてください。 僧侶の裁量にもよりますが、葬儀の際に数ある法要を一度にまとめて行うこともできます。 中には供養は家族だけで済ませるといった人や、僧侶の派遣サービスなどを使い、菩提寺を持たずに僧侶を呼び読経してもらう人が、近年増加傾向にあります。 時代の流れにより、法要に対する一般の人のニーズも変わり、今では様々スタイルで法要を行うことが可能です。 今までのスタイルに捉われずに、納得できる形で法要を行いましょう。