終活コラム

vol.37

五輪塔って何?

お墓の横にあるモニュメントって?

お墓の横に、墓石が積み重なっている縦長のモニュメントを見かけたことはありませんか? 何のためにあるのか疑問に思った人もいるかと思います。 実はあれは「お墓」なのを知っていましたか? 図のように、上から宝珠(団)、半月、三角、丸、四角の五つの石を組み合わせたお墓を「五輪塔」といいます。

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五輪塔の歴史

鎌倉時代から室町時代には、日本中のお墓の八割以上はこの「五輪塔」がお墓の代表でした。300年以上もの間、皇族から庶民に至るまで、お墓といえば「五輪塔」のことでした。 なぜ普及したのでしょうか? それは平安中期に流行した「浄土教」や武士社会が出来たことで、宗教界から庶民への新しい動きがあったからです。そしてお墓にも初めて「成仏」や「往生」という亡くなった人をとても大切にする「死者救済」の考えが取り入れられました。 ちなみに・・人が亡くなることを「成仏した」などといいますが、この言葉どこからきているか知っていますか? 「成仏」の教えは、字の如く「仏様になる」ことです。 これは平安時代初期に真言宗を開いた空海が広めました。 空海は中国から「密教」を日本に伝えましたが、その教えは「この身のままで仏となる」というものだそうです。  

五輪塔の普及活動をしたのは誰?

話しは戻して・・五輪塔を広めた人は誰なのでしょうか? それは「覚鑁上人(かくばんじょうにん)」というお坊さんです。 覚鑁上人は本山の高野山で「高野聖」という念仏グループにおり、このグループが高さ15㎝ほどの木製の五輪塔をもち、全国の人に「人がなくなった時に五輪塔にお骨や遺髪・写経を納めると、亡き人は必ず成仏し極楽往住出来る」と教えたそうです。 こうした「高野聖」達の活動により、日本の仏教はお葬式やお墓と深く関わりを持つことになり五輪塔が普及したそうです。

 五輪塔の意味

五輪塔は密教で言う「地・水・火・風・空」という宇宙を構成する五大要素をあらわしているといわれています。 また五輪塔は死者を成仏させ、極楽浄土へ「往生」させるのが本来の意味です。それ以前のお墓は単に「死者の埋葬地」でしたが、覚鑁は往生と成仏の意味を実証して、初めて亡き人の魂を救い、死者を本当に大切にするお墓をつくりました。 また五輪塔の形は「手に印を結び、口で陀羅尼(ダラニ)を唱え、座禅をして心で瞑想をする「既身成仏」の3つの修行の姿を表し、同時に亡くなった人がみな成仏・往住した姿ともいわれています。

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五輪塔の文字

平安時代末期から鎌倉・室町時代までは全て下から順に「ア・ヴァ・ラ・カ・キャ」という梵字(古代インド文字 サンスクリット文字)を彫っていて、意味は下から「地・水・火・風・空」という意味になっています。しかし江戸時代に檀家制度により、他宗のマネが禁止され江戸時代以降の五輪塔は、宗派によって正面に彫る文字が書き分けられています。 また一般的に、この五輪は人間の体の部分を表しているともいわれており、下から「足・胸・胸・顔・頭」となっています。

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ありがたいお墓

五輪塔を建てると、亡くなった人はみな最高の位と最高の世界へ往けるといわれており、宗派に関係なく今日まで「ありがたいお墓」とされています。 故人を仏様とし極楽往生させる五輪塔は、日本仏教とお墓の歴史に深く関わりのあるお墓だったので、ぜひお墓参りに行った時はチェックしてみて下さいね。

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