終活コラム
vol.7
お葬式のマナー 焼香編(1)
お焼香の意味
お葬式の時に必ずやるお焼香(しょうこう)。
正しいお焼香のやり方を知っていますか?
「前にいる人のやり方を参考にしょう」と思っていたら、人によってやり方が少し違っていて戸惑ったことありませんか?
私はあります・・。なぜ違うんでしょうか?
今回は「お焼香」について調べてみましょう。
そもそも「焼香」ってなんで焚くのですかね?
「焼香」とは葬式などの儀式において、死者を弔うために香(線香や抹香などのこと)を焚くことをいうようです。
起源は、古代インドにまでさかのぼります。
元々、高温多湿で死体が腐りやすかったインドでは、臭気を消すためにお香を焚いていて、とても重宝されたそうです。
お香の悪臭や遺体の腐敗臭を消す働きから、不浄をはらうものという意味を持つようになり、仏の使いとして考え葬儀で焚くことが定着したようです。
日本にお香を広めた「一休さん」
ちなみに「香十徳」という言葉を知っていますか?
↓これです。
香十徳とは北宋の詩人、黄庭堅(こうていけん)によって記された漢詩で、「香の本質」が、たった40文字の中で見事に表現された漢詩のようで、簡単に意味を説明すると、 「焼香は心を落ち着かせる効果もあり、その香りで邪気を払い、霊前を浄め、冥福を祈る気持ちが込められている」という意味のようです。
臭気を消す働きと心身ともに浄化してくれる香の効能により、お香は長年選ばれているのかもしれないですね。日本にお香を広めたのは「一休さん」の説和でも知られる一休宗純だそうです。
余談ですが・・「抹香(まっこう)」とは、粉末状に細かくした香のこと(葬儀・通夜・告別式で焚くのが一般的)で、線香(せんこう)とは棒状になっている香のこと(法事で焚くのが一般的)のようです。
お焼香の作法
さて本題に戻って・・
一番気になっていたやり方が違う理由・・
それは「宗派の違い」のためだそうです。
宗派によって焼香の作法が違うようなのですが、どう違うんですかね?
簡単にまとめてみました。
【宗派別、焼香のやり方について】
※もし自分の宗派や相手の宗派が分からない場合は、1回の焼香で問題ないようです。
宗派 | 線香の仕方 | 抹香での焼香の仕方 |
天台宗 | 3本あげる | 抹香をつまんで額の高さまでかかげ、香炉に焚く動作を3回繰り返す。 |
真言宗 | バラバラにし3本あげる | 抹香をつまんだら、額の高さまでかかげずに、そのまま香炉に焚く。 |
浄土宗 | 1本を2つに折ってあげる | 抹香をつまんで額の高さまでかかげ、香炉に焚く動作を3回繰り返し行う。 |
浄土真宗 (本願寺派) |
線香を立てずに、1本を2つに折って火をつけてねかせてあげる | 抹香をつまんだら、額の高さまでかかげずに、そのまま香炉に焚く。 |
浄土真宗 (大谷派) |
線香2本を2つに折って火をつけずにあげる | 抹香をつまんだら、額の高さまでかかげずに、そのまま香炉に焚く動作を2回繰り返し行う。 |
臨済宗 | 1本をあげる | 抹香をつまんで額に高さまでかかげ、香炉に焚く動作を1回行う。 |
曹洞宗 | 1本をあげる | 抹香をつまんで額の高さまでかかげ、香炉に焚く動作を1回した後、2回目では抹香をつまんだらそのまま香炉に入れる。 |
日蓮宗 | 1本をあげる | 抹香をつまんで額の高さまでかかげ、香炉に焚く動作を1~3回繰り返し行う。 |
まとめてみましたが・・全部は覚えられそうにないですね・・。
焼香は故人の死を悼み、見送るために行うもののようです。
心を込めて祈る気持ちを大切にすれば、私は作法にこだわる必要はないかと思いますが、自分の宗派の作法を覚えた上で、相手の宗派の作法についても学んでおくと、お互いにとっておだやかな葬儀が行えるのかもしれませんね。