終活コラム
vol.80
後世まで愛される人間になる
終活という言葉が頻繁に聞かれるようになったのはここ数年ですが、なかなか身近に感じる具体的な事例がなかったのが実態です。しかし、いざ、身近なご年配の方々のそれも身内で事例があれば、理解も深まります。私が感じたのは家内の祖母、そして家内の両親の活動です。 いかにご紹介していく事例から学んだ就活とは「後世に自分をどう感じてもらえるか、そして残された者たちにに迷惑をかけないか、そして何を残すのか明確にしておく」。大きくこの3つだと思います。 非常にわかりやすい内容です。
まずは家内の祖母の終活です。祖母は75歳を超えてから、さらにも迷惑をかけたくないとマンションで一人くらしをはじめ、がんで亡くなる入院の3か月以外一切、誰にも迷惑をかけず、さらにもろもろの資産、思い出の品などの整理、残された者たちへのメッセージなどすべてをパーフェクトにこなして、まさしく自分の死期がわかっていたかのような最後でした。祖母の3人の娘に対して、マンション、資産などをうまく分配することを決めていて、書面で残していました。さらに自分の葬儀会場、知らせてほしい人間などもあらかじめ、書面で残していたのです。また、孫世代の私たちへの手紙、さらにはひ孫世代であるわたしの子供たちにも手紙をきちんと残していました。葬儀の際にこの事実が分かった時にはこの手紙をみなでそれぞれ読んで本当にうれしく、一生祖母のことは忘れられないなと感じた次第です。
この姿を見ていたからか、家内の両親もまだ75才でありながら、着々と準備を進めています。 まずは自分たちが住んでいるマンション(マンション経営を行っています)を家内たちの世代になってから相続が大変にならないように、売却を行い、自分たちが住む場所を別途探しています。また、両親の兄弟にまつわるちょっとした人間関係にトラブルをいかにうまく収束させて、子供たちの世代がいかに円滑に生活していけるのか様々な画策、根回しをしてくれています。さらには生前葬毒というつもりではなのでしょうが、孫世代にも会うたびにお小遣いをわたす日々です。
こうして、私の場合は家内の祖母、そして家内の両親とわかりやすい終活を目の当たりにしています。お金のことだけではなく、残された者たちにいかに良きライフスタイルを残すことが出来るか、ここまでできれば、本当に後世まで愛される人間になれる、これこそが最高の終活になるのではないかと思います。
最後に故人の保険の手続きについて 以下は被保険者が死亡した際に、その被扶養者や喪主等に支給される保険料の制度です。
- ①健康保険
- ・埋葬料金制度(故人が被保険者か被扶養者の場合にその扶養を受けていた人へ支給されます)
- ・埋葬費給付金制度(被保険者である故人に家族等がいない場合に、葬儀を行った喪主へ支給されます)
- ・家族埋葬費(故人が被扶養者の場合に扶養者へ支給されます)
- ②国民健康保険
- ・埋葬料金制度(故人が被保険者か被扶養者の場合にその扶養を受けていた人へ支給されます)
- ・埋葬費給付金制度(被保険者である故人に家族等がいない場合に、葬儀を行った喪主へ支給されます)
- ・家族埋葬費(故人が被扶養者の場合に扶養者へ支給されます)
- ③労災保険
- ・葬祭料(死因が仕事の通勤や、業務上の事故等の場合に葬儀を行った喪主に対して支給されます)
- ④生命保険
- ・故人が生命保険の被保険者だった場合に保険金の支給があります。請求先は保険会社となります。必要書類は各保険会社に確認してください。
- ⑤簡易保険
- ・故人が簡易保険の被保険者だった場合に保険金が支給されます。請求窓口は郵便局となっています。各種保険金には請求期間が定められているので、なるべく早く請求することをお勧めします。