終活コラム
vol.88
永代供養の正しい知識
かつては死者の遺骨は先祖代々のお墓に埋葬されるのが当たり前でした。しかし少子化の影響で、従来のお墓を維持する事が困難な時代になって来ました。そんな中で永代供養を選択される方が増えています。
しかし永代供養に関しては、少し混乱や誤った認識があるようで、正しく認識してもらえるように、そうした点を意識して永代供養についてまとめてみます。
永代供養を選択される理由
冒頭にも記載したように少子化などの影響で、従来のお墓を維持する事が困難な状況になっています。
一般的なお墓では、墓地の永代使用権を購入し、墓石を建立して納骨しても、お墓の管理費等を支払う事が滞れば、告知期間を経てお墓はお寺さんにより撤去され、遺骨は無縁仏として合祀墓に移されます。これがいわゆる無縁仏化と言われるものです。
高額で墓地を購入し墓石を建立しても、子供や孫に負担を掛け、その上何代か先には無縁仏化する恐れがあり、これは無駄であり、費用が安くて済む永代供養を望まれる方が増えているのです。
永代供養1 永代供養墓
永代供養墓と言われる永代供養は、合祀墓、合同墓、合葬墓、合葬式納骨堂とも呼ばれています。この永代供養墓には、個別の墓石はなく、合同の納骨室に骨壺に入れた状態で安置され、永代供養墓等と刻まれた大きな墓石が建てられ、ここに合祀された人の遺族やお参りの方すべてが、合掌しお参りする方式です。
永代供養2 納骨堂
納骨堂も一般的に個別のお墓はありませんが、仏壇のような設備があり、そこに骨壺に入った遺骨が個別の場所が決められて安置され、一般のお墓と同様のお参りができます。
遺骨を納める場所は、ロッカー型や仏壇型などの他、最近は自動式納骨堂と呼ばれるシステム管理された納骨堂も現れています。また、室内に仏壇型ではなく墓石型として納骨している所もあります。
永代供養3 樹木葬
永代供養の方法として、郊外の墓地に樹木を植え、その傍に埋葬するという樹木葬もあります。 この樹木葬にも、個別に納骨されて、個別に樹木が植えられる方式と、大きな樹木の側に合祀される方式があります。
永代供養に対する混乱の要因
先に代表的区分として永代供養墓は合祀で皆が同じ墓標に向かってお参りし、納骨堂は個別の骨壺の収納場所が特定でき、個別の遺骨に手を合わせる事が可能と記しました。
しかし永代供養が広まり、様々なスタイルと呼称が付けられ、この区分が崩れたことで混乱が生じているのです。
呼称ではなく、個別にお参りできる方法にしたいのか、合祀で皆が手を合せる方法で良いのかで選択すると分かりやすいでしょう。
永代供養はいつまで供養してもらえる
永代供養は初期に10万円~50万円を払えば、永代に供養してもらえます。しかし永代供養は永久ではないと言う事も聞きます。
骨壺に入れて合祀墓の下の納骨室に安置された遺骨は一定期間を経過すると、骨壺から出され、遺骨の状態にして合祀されるのが一般的です。もちろん最初から遺骨で合祀され所もあります。また納骨堂で個別のお参りができる方式でも、一定期間が経過すれば、合祀されるのが一般的です。
この埋葬方法が変更される事を捉えて永代供養は永久ではなく、期限があると言われているのです。もちろん埋葬方法が変っても供養は継続されます。
この期限は個別の施設で異なりますが、一般的には三十三回忌までと言うのが多いようです。
永代供養にも個別にお参りが可能な方式か否かの違いがあり、また三十三回忌などの期限を設けて個別から合祀など埋葬方法が変る事があると言う点に注意し、選択されると良いでしょう。