終活コラム

vol.103

お焼香の意外な役割と知っておきたい地域の違い

葬儀で必ず行われるのが「お焼香」です。 お焼香は、仏・亡くなった方に対し、お香をたき、拝むことを指します。 広い意味では、お線香をあげることなども含まれます。しかし、一般的にお焼香は葬儀・法要などで、お香を焚くことを指すことがほとんどです。 お焼香は、仏教での供養の方法となります。元々、仏教では、お香は不浄のものを祓ってくれるものとして仏事では用いられていました。 現在においては、お焼香とは、葬儀で必ず行われるお香を焚くことであり、特別な存在ではありません。 しかし、お焼香は実は仏教では特別な存在であり、仏教の発祥地であるインドからはるばる伝わる歴史あるものなのです。

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お焼香のルーツとは?

元々仏教が生まれたのはインドです。インドではお香の原料である木の産地であり、匂い消しとしてお香が用いられてきた歴史があります。 インドでは酷暑のため、亡くなられた方が遺体になると腐敗臭が生じ、問題となっていました。そこで、腐敗臭を消すために、インドではお香が重宝されてきたのです。 日本でも、仏教が伝わるととともに、インドからお香が伝わりました。そして、お香は、インドと同様に葬儀で用いられるようになり、現在のような役割となりました。 不浄を祓ってくれるものであり、また匂いを消すという意味でもお焼香が行われてきたのです。 日本は、インドと同様に高温多湿の気候です。このため、お焼香は理にかなっているというわけです。一晩中お香を絶やさないようにするというのは、死者に寄り添うという意味合いもありますが、古くからの遺体の匂い消しの意味合いもあります。 昔は、また遺体の保存技術もありませんでしたし、匂い消しもありませんでした。このため、古くから必要とされてきたのです。

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宗派による違いについて

お焼香は宗派によってやり方が異なるのも大きな特徴です。 お焼香を何回くべるかなどは宗派によって違い、その回数は1〜3回と、少し違いがあります。 これは、宗派により、回数に込められた意味や考えがそれぞれ異なるからです。また宗派だけではなく、地域・家柄・住職の考えでもお焼香のやり方がそれぞれ異なります。 また、斎場で葬儀を行うか、自宅で葬儀を行うかによってもお焼香のやり方は少し異なります。 斎場での葬儀の場合には、立礼焼香がほとんどとなっています。 遺影の前に、焼香台がおかれていて、順番に席を立って、焼香を行います。 自宅の場合には、座って焼香を行うことになります。葬儀は和室で行われることも多いため、焼香台は座って焼香ができる高さに整えられています。 このように、宗派によってもお焼香のやり方は少し異なりますし、斎場での葬儀であるか・自宅での葬儀であるかによっても少々作法が異なりますので、葬儀の際には、お焼香のマナーを知っておくことが必要であるといえるでしょう。

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