終活コラム
vol.113
ライフスタイルで多様化した永代供養の実情について
近年では核家族や少子化の影響で、お墓を建てたり、定期的にお参りする習慣にも変化がでています。
ひと昔前なら、お盆やお彼岸の時期に、家族揃ってご先祖様のお墓参りをしていました。
ですが年々そのような認識が薄れて、現在では誰も訪れない荒地になった無縁仏が増えています。
そのような無縁仏を少なくするため、各寺院では永代供養を行ってお祀りしているのです。
ここでは、これまでの永代供養の事情と、今後どのように変化していくかをまとめてみます。
永代供養の期間は意外と短い
事情があってご先祖のお墓参りができない家族は、現在のお墓がある寺院に永代供養をしてもらえるように頼むことが出来ます。
利用者側は寺院に全てを頼んだということで安心するものですが、実際のところどれくらいの期間を供養してもらえるのか分かっていない場合があります。
一般的には30~50年前後が相場で、それ以降は無縁仏として扱われることになります。
寺院の規模や継承者の有無などで、永代供養をしてもらえる期間も変わります。
永久に供養してもらえるイメージがあっても、それほど長くないのが現状ですから、永代供養を依頼する際には費用と期間をきちんと確認しておいたほうが良いです。
また、費用に関しては一定せず、寺院によって幅がありますが、約50万円前後が相場価格です。
なかには10万円程度から依頼できるケースもあるので、詳しい費用については寺院で確かめておきましょう。
無縁仏になる前に共同墓へ
永代供養といっても永遠にお祀りしてもらうのが難しいのが現状です。
ですから、納骨の時点で単独墓ではなく、共同墓へ埋葬してもらう方法も多く取り入れられています。
共同墓とは、宗教に関係なく血縁などの縁もない者同士が、一緒に埋葬されるタイプのお墓です。
知らない人達と同じお墓に入ることに抵抗がある人もいるでしょう。
ですが、単独墓で永代供養をしてもらっていても、いつかは供養されずに無縁仏になってしまうのです。
古くなった墓石からお骨を取り出して移動させるのは大変なことです。
将来的にお墓参りが出来ない事情があれば、共同墓へ納骨しておいたほうが安心できる場合もあります。
また、一定期間は納骨堂で供養してもらい、その後は夫婦や兄弟などに分けてお祀りすることも可能ですから、そちらも一緒に検討してみるのも良いでしょう。
故人にとって家族揃ってお墓参りしてくれることが一番良いご供養になります。
ただ、訳あってそれが出来ない場合、永代供養という方法が最適ですが、故人の遺志、もしくは家族のライフスタイルに合わせて柔軟に対応することが必要です。
昔と違って、現在は室内墓地やマンション型霊園など、建立する墓石のスタイルも多様化されています。
大切な家族が無縁仏になってしまわないように、親戚同士できちんと話し合いをして、寺院に相談することをお勧めします。