終活コラム
vol.116
希望に合った納骨を
お墓へ納骨する事が一般的ですが
一般的に日本では火葬の後に骨壷に納めた後、しばらくの間は仏壇などに安置し四十九日や一周忌といった法要に合わせてお墓や納骨堂に納めます。
代々受け継いだお墓などへの納骨が一般的ではありますが、近年ではお墓を持たないケースも徐々に増えており、その場合は納骨堂を利用します。納骨堂にはさまざまなタイプがありますが、ロッカーのような区画があり、契約する事で区画に遺骨や位牌を納めるタイプが一般的です。また、「納骨」という言葉からはイメージしにくいかもしれませんが、特に近年では無宗教の方を中心に散骨される方や樹木葬などの「自然葬」選択される方もいらっしゃいます。
これらの方法を選択される場合、故人やご遺族の思いが強く反映される事が多いようです。樹木葬の特徴としては、後継者がいない場合でも永代供養で弔ってもらえることや、さらに管理費などが不要となるケースもあるようです。それ以外にも、故人を身近に感じることが出来る納骨の1つの方法として「手元供養」があります。
手元供養とは?
手元供養の最大のメリットは「故人をいつも身近に感じていたい」「いつも近くで見守っていてほしい」というご家族の想いを叶えることが出来るという点です。
手元供養を選択するにあたって、特に申請や手続きをする必要はありません。手元供養を希望される場合、一般的に「分骨」を行います。分骨を希望する場合は、火葬前に葬儀社に意向を伝えるとあらかじめ分骨用の骨壷を準備してもらえます。少量の遺骨を形見として手元に置く場合、分骨証明書なども必要なく、また仏教の考え方においても問題ないとされています。手元供養には、大きく分けて「遺骨収納タイプ」と「遺骨加工タイプ」があります。どちらのタイプについても近年静かなブームとなっていることもあり、実にさまざまな商品があります。
収納タイプでは、フォトフレームとセットになっているものやリビングに置いても違和感がないデザインのミニ仏壇などさまざまな選択肢があり、好みのものを選ぶ事ができます。加工タイプは、ペンダントやジュエリー、ブレスレットなど「身につける」という点を重視した商品が中心となっています。ご家庭でのご供養は、故人の好きなものやお花などを供えたり、何より故人を身近に感じる事が一番ではないでしょうか。
自宅散骨」という方法も
ご家庭での「自然葬」の1つの方法として「自宅散骨」という選択肢があります。一般的に散骨は、自分の好きな場所で好きなように行えるわけではありません。希望の場所がある場合は、あらかじめ散骨可能な場所であるか確認する必要があります。
自宅散骨の場合は特にそういった制約はなく、庭に散骨する事になります。自宅散骨の場合、隣家などご自宅の敷地外に撒いてしまわない様に囲いを設置するなどの配慮をする必要があります。
墓石などを庭に置くわけではありませんが、故人やご家族の好きな花を植えるなど自由に供養する事ができます。特に近年は、価値観が多様化した影響もあり、納骨においても自分やご家族の意向や希望を反映しやすくなってきています。自分にもしもの事があった時にどうして欲しいのか、エンディングノートなどを活用して意思表示しておく事はとても大切な事です。またどのように供養するのかについても、さまざまな選択肢が増える事で、素晴らしい供養につながるのではないでしょうか。