終活コラム

vol.126

進化するお墓のスタイル

皆さんはお墓といえばどのようなことを思い浮かべるでしょう。「家族で同じお墓に入るもの」や「家族が代々継承していくもの」といった、家族の繋がりを示すものとして、そして日本の伝統的な風習の一つとして大切に考えられているかと思います。しかし、一方ではその伝統に沿うことが難しい状況にある人も増えつつあります。現在、日本人の家族のかたちは変化してきており、それによってお墓のスタイルにも変化が求められています。

変わりゆく家族とお墓の関係

家族で代々受け継がれるものというイメージのお墓ですが、人によっては家族と一緒のお墓に入ったり、お墓を持ったりすることが難しい人も増えてきています。家族のかたちが変化してきている現代の日本において、お墓と家族の間にはどのような問題が起こっているのでしょうか。

(1)遠方へのお墓参りが難しい
昔は結婚しても家族は一つの家に住み、何世帯もの多人数の家族になっていくことが普通でした。しかし、現代では就職や結婚をきっかけに家を出、両親と子どもの家族が別々に暮らすケースも多くなりました。特に実家が田舎の場合、若い人は地元から離れ、仕事のより集まる都心部に暮らす傾向にあります。昔は、何かと家族のイベント毎に親戚一同が集まり顔を合わせ、お墓参りにも行く家庭は多かったのですが、このように実家から離れてしまうとそれもなかなか難しくなり、お墓参りに行きにくいという人が増加しています。また、墓地や霊園自体が駅や都会の近隣というよりは、車でないと行けないような比較的不便なロケーションに位置することもあり、将来的にお墓を持ったり自分がお墓に入ることを躊躇してしまうのです。
(2)家族のお墓に入りにくい状況(長男以外の子ども)
特に法律的な制限があるわけではありませんが、風習として家族のお墓に入るのはその家の長男であるケースが多く、次男以降の子ども達は家族と一緒のお墓に入らないことが一般的とされています。これは、家族のお墓に入るのが本家を継ぐ永代使用権者であることが多いからで、長男がその家を継ぐことが多い日本では、長男にその権利がありお墓にも入るものであるとされているからです。この場合、次男以降の子どもは、独立後に分家として自分でお墓を用意することになります。
(3)実家のお墓を継承しない(女性など)
女性である場合も、家族のお墓に入らない人が多いものです。女性は結婚すると嫁いだ家のお墓に入ったり、独身のままであっても男性の兄弟がいれば家族のお墓に入るのは男性の兄弟になったりすることがあります。そして、嫁ぎ先の家のお墓に入らないことを選択したり、独り身であったりと、自分のためだけのお墓をつくることを考える女性も増えています。

お墓を持たないという選択

上記のように、様々な考え方や家族の形態のため、独自にお墓をたてることを考える人もいる一方、お墓参りやお墓を維持する手間、お墓を建てる費用等のことを考えるとお墓自体を持ちたくないという考えの人も増加傾向にあります。そのような人にお勧めな供養携帯の一つとして、納骨堂とお墓を融合させた「納骨墓(のうこつぼ)」があります。納骨墓は、遺骨を入れた骨壷を寺院や専用のロッカー等に安置し、埋葬するという新しいスタイルのお墓で、お墓を建てられない人や自分のお墓のことで周囲に気を遣わせたくないという人に人気があります。

(1) 通い易いロケーション
納骨墓のメリットの一つに、そのロケーションの良さがあります。納骨墓は通常、神社の境内に置かれるものですが、近年ではロッカー式のものも増えました。お墓に比べてスペースが要らないため、都心部の近く等に位置するものも多く、お墓と違って屋内なのでお墓参りの手間がぐっと減ります。
(2) 選べる供養のスタイル
お墓に比べるとかかる費用は3分の1程といわれている納骨墓ですが、だいたいどのくらいの費用がかかるのでしょうか。一般的に、永代供養料は1霊で498,000円でこの金額に墓石代等も含まれていることが多いようで、1カロートに4霊までの埋葬が可能です。さいたま市北区の吉祥院の場合なら、一霊位650,000円、二霊位200,000円、そして三、四霊位なら100,000円での供養が可能だそうです。そして、決められた安置期間の終了後は合葬されます。

生前の相談で気持ちの良い終活を

独自のお墓を建てないことや、納骨墓という手段を選ぶということ等は、生前に家族や周りの人とよく相談し、理解を得るようにし、自分の亡き後にトラブル等に繋がるのを防ぎましょう。また、安置期間については、契約する業者や寺院等と生前に打ち合わせておくと良いでしょう。

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