終活コラム

vol.24

お墓を継ぐ人がいない

従来のお墓の形式の破綻

「お墓を継ぐ人がいない」 というのは近年誰しもが持つ可能性がある悩みである。 今回はその「お墓の後継の問題と、これからのお墓のスタイル」について書いていこうと思う。 というのも少子化が進むにつれ、従来の伝統的なお墓の形式である「長男が墓を継いで、次男以降は分家として新たに墓を作る」ということが非常に困難になってきているからだ。 「家墓」といって、従来の代々継いでいく墓の形が一般的になった明治時代以降、日本の人口は急激に増加してきた。 ところが2006年をピークに人口は急激に減少傾向にあり、その中で「お墓の継承」というのが非常に厳しい状況になってきた。 また、今の時代「その土地に生まれ、その土地で死んでいく」といった人も少ない。 人口が都市部へ集中し、生まれた土地と違う場所で生涯暮らしていく人が増加した。 その結果、サザエさん一家のようなおじいちゃんと孫が一緒に暮らしているような家庭も少なくなっている。 以前のような「家を代々継いでいく」といった概念がなくなってきている今、墓もまた同じように継いでいく人がいなくなっていくのも、いわば当たり前の状況なのだ。

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増加する無縁墓の実態と現代のお墓に対する考え方

そのような原因を裏付けるデータもある。 1000人を対象に「無縁墓」といって身寄りのない人や墓を継いでくれる人がいない墓に入る可能性があるかを調査してみた。

  • 近いうちに無縁墓になる・・・・52%
  • いつかは無縁墓になる可能性がある・・・・28%
  • 無縁墓になる可能性はほぼない・・・・13%
  • 無縁墓にはならない・・・・3%
  • 分からない・・・・4%

(2014年9月14日 NHK 「無縁墓の実態に迫る」より)

このように今後のことを見越した時に「墓を継いでくれる人」がいなくなることは多くの人が可能性として考えられることが挙げられる。 実際に墓地にある家墓が無縁化しているケースは多い。 なんと年間に平均して1万人分の墓がご家族と連絡がとれずに無縁化しているのだ。 このデータは連絡がとれなくなった墓のことを指しているので、「これから無縁になりそう」とか「墓引き・墓じまい」といって自主的に墓を閉めた人は入っていないので、さらに多くの人たちが無縁になっているといえよう。 また「私には息子がいるので墓を継いでくれる」という家庭でも、先ほども書いた通り「生まれた土地で死んでいく」人は少なくなってきている。 もし息子が離れた土地で暮らした場合、親が亡くなり実家も無くなった土地には行く理由すら息子にはなくなってしまう。 だからこそ、子どもがいる方でも「次の世代が考えてくれるだろう」と人任せにせず、事前に子供としっかりと相談することが大切だ。 以前のような「墓は代々継いでいくもの」といった固定化した考えを持たない方がいい。

これからのお墓の新しいスタイル

これからは従来型の墓に固執せずに「お墓を継ぐ人がいない人のためのお墓」も選択肢にいれて考えることが重要である。 今だと「永代供養墓」といって、遺骨を永代に渡って管理・供養を行う墓の需要が高い。 設置しているお寺も非常に多くなっている。 永代供養墓の中でも合葬式といって、遺骨を一つの墓に骨壷ごと保管する合同墓や、骨壷から遺骨を出して土に還して供養する合祀墓がある。 管理するお寺によって違うが、合同墓は13回忌や33回忌まで骨壷で供養し、その後土に還して合祀にして供養するといったケースも多い。 しかし、そのようなお墓だと「みんなと一緒の墓に入りたくない」と思う人も多い。 そういう人は子供が引き継がないことが前提だが、個人墓・夫婦墓といって独立した一個の墓もある。 他にも納骨堂(室内で骨壷を管理する)や、次世代型のお墓である納骨墓(のうこつぼ)なども人気が高い。 昔のように「継承を必要としない墓」は、家墓と比べ隅っこに追いやられるような存在にはならない。 むしろ、個人のニーズにあった「継承を必要としないお墓」がこれからメインとなっていくだろう。 だからこそ、今の時代一番必要なのは生前にしっかり相談・調査した上で墓を決めておくことが大事であると言える。

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