終活コラム

vol.50

お坊さんのルールって?

お坊さんといえば、「お酒を飲んではいけない」「身を飾り立ててはいけない」など厳しいルールがあるイメージがあるかと思います。そこで今回は、お坊さんのルールでもある「戒律」について紹介します。

そもそも戒律とは?

もともと仏教において、仏の戒めを自発的に守ることを「戒」といい、厳格な規則ではなく仏教徒が生きるための欲望に節度をもたせるものです。 また僧団として守る集団規則で罰則があるのは「律」といい、独りよがりな修行や他者の仏道修行の妨げとなることを防ぐため、違反内容に従って重い罰なら「破門」といった罰則が設けられています。 このように「戒律」は、本来別々の意味のある言葉を合わせたものだそうです。 仏教の目的は、己の欲望を消すことによって「悟りの世界」に到達することが出来るといわれています。 お釈迦様は、その方法として三種類の実践を勧め、そのひとつが「戒律」です。 まずは「戒」を保った生活をしていなければ、冥想において心の安定が得られず、智慧も得られないそうです。 なので、修行段階によって様々な「戒律」を習慣化していかないといけないのです。 お坊さんへの道のりは長そうです・・。

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戒律って何があるの?

様々な戒律があるイメージですが、一体どんなものがあるのでしょう? まず基本的な戒と言われている「五戒律」

「五戒律」

①不殺生界(ふっせしょうかい)
生き物をみだりに殺してはいけません。
②不偸盗戒(ふゆとうかい)
盗みを犯してはいけません。
③不邪淫戒(ふじゃいんかい)
淫らなことをしてはいけない。
④不妄語戒(ふもうごかい)
嘘をついてはいけません。
⑤不飲酒戒(ふいんしゅかい)
飲酒をしてはいけない。

この五戒律は仏教の「基本的な戒」と言われています。 この戒は、誰かに強制されるものではなく自分自身の意志で守っていくものだそうです。

十戒律って?

さらに五戒律を加えた「十戒律」というものがあります。 十戒とは、仏教の見習い男性出家者である「沙弥(しゃみ)」と女性出家者「沙弥尼」が保たなければならない「出家の戒」です。 沙弥って何?と思われた人もいると思います。 沙弥とは、14歳から20歳未満の年少男性出家修行者とのことをいいます。 この「十戒律」は、沙弥である以上「必ず」守らなければいけない義務であるという点で他の戒とは違いがあります。

「十戒律」

⑥香油塗身戒(こうゆずしんかい)
香水など身を飾り立ててはいけない
⑦歌舞観聴戒(かぶかんちょうかい)
音楽や芸能など娯楽をしてはいけない
⑧高広大床戒(こうこうだいじょうかい)
快適な場所で生活をしてはいけない
⑨不促金持戒(ふそくきんもつかい)
お金に関わってはいけない
⑩非時食戒(ひじしきかい)
決められた時間以外に食事をしてはいけない

んー十戒律守るのは、私には難しそうです・・

「十戒」ではなく「十善戒」とは?

「十戒律」は難しくても、「十善戒(じゅうぜんかい)」なら守れるかもしれませんっ! 十善戒とは「十の正しい行為の道」として説かれているものです。 十善戒は身体的行為だけを戒める五戒に、精神的行為への戒めを含めた戒になります。 これは私達が毎日の生活の中で守るべき教えであり、その十の教えを守ることによって私達の心を清め、仏様の世界に導いてくれる教えのようです。

「十善戒」

①不殺生(ふせっしょう)
いかなる生き物も殺傷しない。
②不偸盗(ふゆとう)
与えられていないものを、故意に我が物としない。
③不邪淫(ふじゃいん)
不適切な性関係を結ばない。不倫・売買春しない。
④不妄語(ふもうご)
偽りの言葉を語らない。
⑤不綺語(ふきご)
無意味・無益な言葉を語らない。
⑥不悪口(ふあっく)
他者を誹謗・中傷しない。
⑦不両舌(ふりょうぜつ)
他者を仲違いさせることを言わない。粗暴な言葉を使わない。
⑧不慳貪(ふけんどん)
物惜しみせず、飽くことなくモノを欲しがらない。
⑨不瞋恚(ふしんい)
どんな時・事であれ怒らない。
⑩不邪見(ふじゃけん)
業報・因果・縁起・輸廻を否定するモノの見方をしない。

良い習慣を生み出す「戒律」

最初から完璧に守ることは難しいかもしれません・・。 でも守れるものから意識し、「習慣化」出来るようにすることで、自分自身や周囲に変化が訪れるかもしれないですね。 興味を持った方はぜひ挑戦してみて下さいね。

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